2014年3月31日 (月)

[最終回] キリン御殿場蒸留所のウイスキー

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東名・御殿場インターを降りて河口湖方面に向かうと、10分くらいで右手にキリンの富士山御殿場蒸留所が見えてきます。ここは、ウイスキーを蒸留しているだけでなく、ボトリングまでしている珍しい蒸留所です。

 

この、御殿場蒸留所で作られているウイスキーが写真の中ほどの3本ですね。
左から、スタンダードなブレンデッドウイスキーの「富士山麓」、蒸留所20周年記念のモルトウイスキー「富士御殿場蒸留所20th.」、長く熟成させた「シングルモルト富士山麓18年」。
ブレンデッドの富士山麓は、手軽な値段で度数も50度と高いのですが、コクがある割にはスムースで飲みやすいウイスキーです。特にハイボールが良いと思いますねぇ、、、。
右の2本はモルトウイスキーなので、やはりストレートで個性を楽しみたい。
穏やかな味わいが御殿場のウイスキーに共通する個性だと思います。
20th.は蒸留所開設20周年ってことであって20年モノではありません。ちょっと若めのモルトです。
18年は、さすがにクリアでありながら厚みのある樽の味わいが感じられます。

 

と、ま、普通に書いておりますが、実は、富士山麓の十里木高原(富士サファリパークの上の方)にレストランを開業した関係で、静岡の酒を用意しているわけですね。
左のビールは沼津の「ベアードビール」からライジングサン・ペールエールとスルガベイ・インペリアルIPA、このほかに御殿場とお店の間に工場がある「御殿場高原ビール」も用意しています。
もちろん、ラフロイグとかアードベッグとかもあります(私はクルマ通勤なので店では飲めないのですがw)。

 

というわけで、飲む側から飲んでもらう側に立場が変わったので、このブログ(好き勝手なことを書いてますからねw)もいったん休止いたします。

 

いや、1980年代の後半から約25年、本当に良く飲んだなw

 

酒は美味いですねぇ、、、。特にウイスキーは最高だな。
 
※お店については下記ブログで。お待ちしております!
 ■cafe TRAIL ( http://ttanabe.blogs.com/trail/

 

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2014年3月 7日 (金)

間違いなくここ数年で出会った中で最高のウイスキー「山崎パンチョン1993年ヘビリーピーテッド」

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「山崎パンチョン」は、サントリーの高い(笑)ブレンデッドウイスキーを支えるベースモルトであり、シングルモルトとしても、ピンと張ったような緊張感のある素晴らしい完成度のウイスキーだと思う。
残念ながら「高いブレンデッド」(しつこい・笑)に回していてそれで一杯いっぱいみたいで、既にシングルモルトとしての出荷は終わってしまった。
ネットで買うと、700mlで9450円(税込)だったけれど、素晴らしいC/Pだと思った。
在庫品を見つけたら、買って損はないと思う。
パンチョンってのは、樽の名前でサントリーがウイスキーを熟成させている樽の中では最も大きなサイズの樽。
白州のオートメーションの貯蔵庫には入らないので山崎だけ。
パンチョンは、大きな樽でゆっくりと熟成させることが、美味いウイスキーの条件であることを感じさせる。
他社(ま、サントリー傘下だけどw)で「4分の1サイズ」みたいな名称のシングルモルトもあったけれど、ちょっと苦し紛れな感じは否めなかった。
ウイスキーの量と樽の表面積の関係で早く熟成しそうに思われるけど、そんなことはないようだw
ま、木自体の質にもよるんだろうけれど。
というわけで、久しぶりに出会ったパンチョンは、並みのパンチョンではなかった。
1993年蒸留の2007年ボトリング、554本しかないなかの1本。
2007年と言えば、まだシェリー樽フィニッシュやヘビリーピーテッドなどのバリエーションを前面に出していない頃。
いろいろやってたんですねぇ、、、ということが伝わってくる1本だね。
ま、ほとんどのボトルは、訳も分からず「タハ、オモチロイ」(by 開高健)みたいな場で飲み干されてしまったのだと思われるなw

パンチョンのクリアな緊張感とともに、しっかりとした味わいと香りを併せ持った素晴らしいウイスキーだと思ったね。
しっかりとした味わいってのは、クリアさとは相反する場合があるのだけれど、これはそんなことはない。
ヘビリーピーテッドと言っても、ほんのスパイス的な感じでバランスが良く、ピート香ばかりが出てくるわけではない。
62度だけど、それを感じさせないし、ほんのちょっと加水したときの味の広がりかたも素晴らしいものだった。
ここ数年で飲んだウイスキーの中で最高の部類の1杯だった。
ま、こういうのは、偶然の出会いで1杯だけ、ってことで、多分、二度と飲めないとは思う。
まだ、2/3くらい残ってたから、経験したい向きはお早めにw
日吉の画亭瑠屋。

 

 
 

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2014年1月17日 (金)

サントリーのビッグディールに思う、、、。

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サントリーが約1兆6500億円(サントリーHDの年間売上高に近い金額!)でバーボン「ジム・ビーム」のビーム社を買収する、というニュースを聞いて、最初に感じたのは、「あー、樽の確保だな、、、」でありました(写真上は白州蒸留所のポットスティル)。
 
ま、以下、下司の勘繰りと思っていただければ、、、(笑)。
 
ウイスキーなどのハードリカーは、日本国内では先細り、大資本になってプレゼンスを上げる、ビーム社の既存のブランド力と販路を活用する、などなど理由はいくつもあると思うのですが、これから中国やインドをはじめとして世界中にウイスキーを売っていくために、バーボン樽と北米の森林資源に依存する樽材(ホワイトオーク)を確保するのが、最大の目的だったのではないか、と思ったのでした。
 
 
上記エントリにも書いてありますが、「バーボンには、ケンタッキー州で作ること、木を切って初めて使う樽でなければならない、といったレギュレーションがある」のです(だから、厳密にはジャックダニエルはテネシーウイスキーであってバーボンではないのですが)。ここで1回バーボンを寝かせた樽がスコットランドや日本のウイスキーの樽になるわけです。
 
ウイスキーは、10年単位で先を見たビジネスです。今年、蒸留して樽に詰めたものは、短くて数年後、長ければ20年以上も熟成させてから市場に出てきます。この間の売り上げにつながらない貯蔵コストもさることながら、樽がなければ熟成させることができません。こればっかりは、自然の木材以外で代替することは不可能です。つまり、今後さらにビジネスを広げていくには、樽の確保が不可欠なのです。
 
今回の買収の結果、スピリッツのメーカーとしては、
 
 
上記の2社(サイトを見ると分かりますが、既にこれだけ蒸留酒の系列化が進んでいます)に次ぐ規模になるようですが、例えばディアジオ傘下のシングルモルトウイスキー「グレンモーレンジ」は、北米の山で調達したホワイトオークをジャックダニエルに委託して、ジャックダニエルを1回熟成させた樽をグレンモーレンジの熟成用に使用しており、このルーチンが出来上がっています。
 
サントリーも、例えばシェリー樽の調達のためにスペインのシェリーメーカーにシェリー(シェリー自体は大して売れないと思いますが)を作ってもらっている、なんて話もあるくらいで、独自の樽の調達を工夫しています。とはいえ、やはり安定的に樽を確保するためには、北米の大きなスピリッツメーカーが必要、ということだったのではないかと想像します(写真下は白州蒸留所の貯蔵庫)。
 
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2012年までは、サントリーはジャックダニエルやアーリータイムスを扱っていましたが、2012年にジム・ビームに乗り換えました。それまでジム・ビームはアサヒが取り扱っていたのですが、そっくり入れ替わりました。この総代理店の鞍替えからして、ジャックダニエルの樽はグレンモーレンジに行くので使えないなどとともに、既に伏線だったのではないかと思います。
 
2013年の12月初旬にサントリーの白州蒸留所を見学しましたが、工業製品としてのウイスキーの大量生産という意味では国内最大規模の蒸留所であることを実感しましたし、現在、50万樽以上を熟成中という数字にも驚かされました。それだけに、今回のビッグディールを見て感じたのは、樽の確保だよなぁ、、、だったのでありました。
 
それにしても、ラフロイグ、ボウモア、マッカラン、グレンフィディックなどの名だたるシングルモルトの蒸留所を傘下に収め、さらに今回ジム・ビームを傘下に、ということで、世界のウイスキー業界におけるサントリーのポジションと影響力はとても大きいものがありますね。今回の買収金額については、様々な捉え方があるようですが、樽の確保が長い目での目的であるならば、無駄にはならないのではないか、と思います。
 
 

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2013年12月16日 (月)

白州12年、真に日本を感じさせるウイスキーだな

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サントリーの白州蒸留所に久しぶりに行ってきた。

製造設備を見学させてもらった後にテイスティング(写真下)。
今回、テイスティングしたのでは、白州12年を構成するベースモルトとキーモルトなど数種類。
白州は、クリアな味わいの中にピーティなアクセントが特徴ということで、なるほど、と納得。
そういうわけで、白州12年(写真上)を飲んでいるのだが、透明感、キメの細かさ、バランスの良さ、後味の上品さ、なと、ほとんど何の文句もないウイスキーだね。
ま、でも、やっぱりここは、一言あるな。
 
「工業製品」としてまとまりすぎてはいないか?
 
近代的な工場とその生産規模の大きさ、樽での熟成という摩訶不思議な作用の結果のウイスキーではあるのだけれど、素晴らしくよく管理された工場で生産される「プロダクト」という感じを打破する何かがあったら最高だね。
同じサントリーの山崎やニッカの余市なんかよりも、日本的なものがある。
このあたり、日本のクルマやオーディオなどに相通じるものを感じさせる。
惚れ込める何か、が欲しいところなんだよね。
数を売るために求められるものとは相反するのかも、だけれどね。
もちろん、もろもろリスペクトした上での贅沢な悩みからくるコメントなので、その辺はひとつご勘弁ください(笑)。
 
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2013年11月29日 (金)

シーヴァスリーガルの「ミズナラ」

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ミズナラってのは、木の扱いが難しいけれど、独特な味わいを出す日本独特の樽材だね。
このシーヴァスリーガルは、ブレンドしたウイスキーをミズナラ樽で寝かせてフィニッシュした日本限定発売のブレンデッドウイスキーなんだそうだ。
世界でも日本ほどウイスキーの品質が向上して、かつ、ユーザーも味が分かるところはない、ってことで、シーヴァスも一目置いた、って感じだね。
ちょっと昔に比べると、と思われる部分もあるシーヴァスだけれど、このミズナラはしっかりした味わいで悪くない。
値段も手ごろだし、良いブレンデッドウイスキーだと思う。
 

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2013年11月 7日 (木)

ニッカのピュアモルトの白はアイラ系

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ニッカのピュアモルトには、黒、赤、白とあって、黒は余市のモルト、赤は宮城峡のモルト、白はなぜかアイラ系のモルトなのであるな。
ま、好きな順でいくと、白>黒>赤、となるw
というわけに久しぶりに買った、ニッカピュアモルトの白。
ストレートかちょっと水を加えたくらいで、だね。
ま、ロックでも良いのだけれど、冷蔵庫がないので氷を買ってこないとならん。
買ってきておいてなんだが、冷蔵庫がないと、家飲みしなくなるもんだね。
特に缶ビールはほとんど飲まない。
ま、これは悪いことではないな。
 

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2013年10月17日 (木)

木桶仕込みの酒「半蔵」

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三重県伊賀市の酒「半蔵」。
木桶仕込み由来のまろやかな味わいの酒がこれ。
燗酒に好適な酒で、スローフード何とかで燗酒部門の金賞だそうだ。
蔵元のWebサイトにある下記の説明がすべてを物語る。
昭和30年代までの仕込みは、現在のようなホーローや
ステンレスのタンクではなく、ほとんどが木桶で行われ
ていました。「純米酒 木桶仕込み 半蔵」は、当蔵で
眠っていた昭和10年に作られた木桶を修理し、仕込ん
だお酒です。木桶には自然の無数の孔があり、酵母は独
特な発酵を行います。木桶仕込みは杜氏にとっては懐か
しく、また温度管理に気をつかう造りとなりますが、た
っぷりの愛情と手間をかけて醸したお酒は口当たりのや
わらかい、まろやかで後味の良いお酒に仕上がりました。
近所の酒屋(カクヤス)で勧められたんだけれど、久しぶりに美味い地酒に出会った。
やはり、じわりとぬる燗で、だね。
ま、4合瓶で2000円超えるので安くはないけどねw 
「ひやおろし五合」なんて言ってるけど、昔みたいに一度にたくさん飲まないからね。
 

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2013年9月22日 (日)

ベルギービールもリニューアルするんだね

 

セゾンヴォアゾン

セゾンヴォアゾン、ラベルが変わって、味も変わった、、、。
以前のラベルが、写真下だから、相当にコストダウンというか、パソコンで作れるようにしたというかなんというか、、、。
ま、分かりやすいと言えば分りやすい。アメリカ人向けかね?ww

まだまだ矜持は保っているとはいえ、国産ビールのような道(どんな道だ?w)をたどりそうだなぁ、、、。

ちょっと炭酸がキツくなったかな? 苦味がわずかに控えめになって味のバランスは良くなったかも。
ま、オレは苦いのが好きだけれどね。
一応、より幅広い皆さんにも、飲みやすくリニューアル、と言っておこうww

セゾンビールってのは、暑いときにグイグイ飲むものなので、アルコール度数は高くない。でも、味はしっかりしていて、飽きずにたくさん飲めるのが良いね。

お店の人に「ラベルの50って何ですか?」と聞いたら、アルコール度数の「5度」のことです、と言われて撃沈。

ずいぶん久しぶりの更新だ。変わらず飲んではいるのだが、、、w 最近、「おぉ!」って感じのウイスキーになかなか出会わないね。

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2013年7月21日 (日)

この季節、ビシッと苦いビールを飲もう。例えば「XXビター」

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ビールの美味い季節だけれど、その辺で何が出てくるか分からないような「生」など飲んでいる場合ではないと思うのだな。
人生において、美味しくビールを飲める時間はもう限られている、若いころのようにバカみたいな量を飲むわけでもない、ということなので、美味いビールを飲もう、と思うわけですね。
あと、アルコール度数が高いので、けっこう酔っぱらうので、そうそうたくさんは飲めない。
どう美味いか、というと、やはり苦味がしっかりあることが大事(あくまでオレの場合ねw)。
あまり甘い後味が残らないほうが好きかな?
 
で、ま、筆頭に来るのが、地ビール系で沼津のベアードとか妙高のビールとか。地ビールには、たまに素朴過ぎるw のもあったりするけれど、この二つは完成度が高いと思う。
次は、ベルギーとかドイツのビールで、しっかり苦い銘柄がいくつもあって、ありがたいね。
地ビールや、ドイツ、ベルギーのビールを飲むと、アサヒもサッポロも、その違いなんてものは微々たるもんだ、と思うね。
その程度のことに目くじらを立てない、そのくらいは気づかない程度に鈍感で済まそう、という訳にもいかんけどねw
 
ドイツだと、イェーバー、フレンスブルガーあたり、ベルギーだと写真のXXビター、セゾンボアゾン、セゾンデュポンあたりが今の時期は良いね。あと、チェコのウルケルってのも好きだな。それと、サンフランシスコのアンカー・スチームかな。多くの場合、瓶だけど、たまに樽生があると、ベースの味はのこしつつまろやかだったりするので、それもまた良い(イェーバーとかXXビターとか、樽生は別物の美味さだった)。
 
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なお、ベルギービールには、材料にフランボワーズとかコリアンダーとか入っているためにレギュレーション上「発泡酒」になってるのもあるけど、インチキな居酒屋で生と称して出てくる発泡酒とはモノが違うので誤解してはいけない。
日本のレギュレーションがタコなんですね。
 

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2013年7月10日 (水)

これも、ボジョレヌーヴォーっぽくなってきた「白州 ヘヴィリーピーテッド」

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別のところで「牛丼屋のうな丼はボジョレ・ヌーヴォーみたいだ」って書いたんだけれど、これもそのまま当てはまる。
 
「白州 ヘヴィリーピーテッド 2013」。
 
ま、ウイスキーは10年とか寝かせるわけだけど、その年に開ける樽のデキ、とか、こういう限定企画商品の場合は、どういったポジションにしようか、とか、いろいろあるとは思うけれどね。今年の場合は、「山崎 ヘヴィリーピーテッド」を出したので、それとの違いを意識した、なんてこともあるかもしれないね。
2011年だったかな? 初めて飲んだときの印象は忘れられないね。それにくらべると、だんだんピーティさが軽くなっている感じがする。ま、裾野を広げて、ということなんだろうね。
 
山崎 ヘヴィリーピーテッドは、意外にドライでびっくりしたんだけれど、こっちの白州 ヘヴィリーピーテッド 2013 は、軽さのあるまろやかさで飲み易いのが印象的でありました。ま、もうちょっとピート強いほうが好きかな?
 
写真がチトピンボケだ(謝)。
 

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